昨日は五月の連休の残り少ない休日を費やして、会社の同僚と飲みにいかなくてはならない約束になっていた。
正直な話、こうした生産性のない、生産性の悪い飲み会にかける費用と時間が惜しいのであるが、行きがかり上、参加しなければならなくなってしまった。
19時に地元の飲み屋街に集合である。私の短い脚であるいて約15分ほどの距離である。スマートホンで視聴の必要がある音声を聞きながら移動した。店の前に到着したのであるが、約束をした面子はまだ誰も来ていなかった。
店の前でしばらく待っていたのであるが、誰も来なかったので一足先に私は、店の中で待つことにした。店の中でしばらく待っていると同僚たちが来た。同僚のX君、Y君、かつて一緒に仕事をしていた派遣社員のZ君、そして私の面子である。
会社の同僚が集まっての話題といえば、上司の悪口、そして今後の仕事、会社の展望と大よその相場は決まっている。
新卒 中途入社
X君とY君は二人とも新卒で入社して現在に至る。
中途入社は私だけである。
不思議なことに二人とも会社や上司の悪口を言うことはあっても、転職、つまり会社を辞めるという行為は一回もしたことがないのである。
訊くと「惰性でやってきただけだよ」という返事であった。
こういうことは転職歴が複数回ある私からすると、非常に奇妙なことに感じられる。それで、現在同じ仕事をしている人間3人が集まり、同じ仕事をしている人間1人を除け者にして、飲み会を主催することによって社内的には1対3の構図が出来上がったことになる。
別に派閥を作るつもりもないが、除け者にされた上司は、自身で社内に普段から意識的にか無意識的にかは知らないが敵を作る行為、言動をしているのであるから当然の帰結であろう。
ちなみに今の交替勤務の仕事では長生きできないことを、この二人は認識しているにも関わらず転職はまったく考えていないという。
曰く「長生きするつもりはない。定年と同時に死にたい」とX君などはほざいた。その後、アルコールを飲まない元派遣社員のZ君の運転で隣の町の飲み屋街に行くことになった。
そこのお店にはX君のお気に入りのスタッフがいるのだという。
それで、目的地に到着したのであるが、Z君は外国パブ、X君は馴染の店に行きたいという。
なので二手に分かれた。
Xくん、Yくんの二人は馴染の店に行く。私とZくんは外国人のいるお店に行くことになった。
飲み屋街を歩いていて思ったのであるが、日本人スタッフのいる店は少ない感じがした。
客引きがいるのは中国、台湾、フィリピンが圧倒的である。私とZくんはフィリピン人スタッフのいる店に入った。年齢は二人とも30歳。店のオーナー、従業員、全てがフィリピン人だという。
ちなみに、そのうち一人は4分の1スペイン人の血が、もう一人は4分の1日本人の血が入っているという。通りで、この人は日本人のような顔立ちであった。
また二人とも日本人と結婚したが、離婚してシングルマザーとして子供を育てているという。
日本人のシングルマザーに生命保険のセールスレディーが多いのと同じ構図かもしれない。
カネのためにやっているという。
まあ、当然かもしれないが。それにしても店の中はうるさかった。
カラオケの音は騒音公害レベルではないか。実は、こういうお店はあまり好きではない。
日本人の血が入っている女の子は昼間は電子部品の工場で働き、夜は水商売で仕事をしているという。ダブルワークである。双子の9歳の子供を一人で育てるのも大変であろう。
しかしながら、いろんな国の人間が日本に働きに来ているということは、日本はまだ豊かなのであろう。
これが本当に日本が貧しくなると、かつて我々の祖先がハワイ、カリフォルニアなどのアメリカ、ブラジルやペルーなどの中南米に出稼ぎに行ったように、日本人も外国に出稼ぎに行かなければならないのかもしれない。
この店は1時間くらいで後にした。店を出るとXくんとYくんが前で待っていた。
訊くと馴染の店は満席で入れなくて、うどんだけ食べて街のなかをフラフラしていたという。
帰りの車中でXくんが「嫁が、今度、会社の仕事とは別にアルバイトをすることになった。勤務先は近所のファミリーレストランだ」と言った。
給料が安くて家計がやっていけないという。かつて同僚でゲームセンターでアルバイトをしていて上司に見つかった人間がいた。
客で来た上長に見つかって大変な目にあったという。
しかしながら、こうした細かいことに目くじらを立てる上長は、いつぞやの希望退職で、ほとんどが辞めてしまい、口うるさい人間は最早誰もいない。
社外でのアルバイトは、ほぼ黙認であろう。
兼業禁止規定などは有名無実である。
下々の民は大変である。
どこかの国の総理大臣が、嫁がパートに出る理由は「景気が良くなったからだ」と、のたまったが、バカも休み休み言え。
あの時の発言で出てきた数字は「パートの扶養控除」も「平均時給」もまったく考慮されていない数字であった。
皆、生活が苦しいから働きに出るのだ。
バカも休み休み言え、と書いたがバカしかなれないのが、某国の総理大臣である。
日本人でない方が総理大臣になりやすいのが、この国の現実である。
外国に日本の利権を売り渡すことでキャッシュバックを懐に入れている連中はパワハラ上司よりも最悪かもしれない。