https://news.livedoor.com/article/detail/20409094/
“秒速で1億円稼ぐ男”として知られる実業家・投資家の与沢翼氏が第2子誕生ツイートを仮想通貨の技術を使いデジタル資産化(NFT化)し、5日間120時間限定でオークションを行っていた。
オークションは6月19日深夜に終了し、落札額は42ETH、1041万3690円と確定。消費税と手数料を引かれ、与沢氏の手元に入金された30.54546ETH、日本円にして757万3594円を今後フォロワーに全額還元するという。
「NFT」とは?
「NFT」(Non-Fungible Token)とは非代替性トークンと呼ばれ、偽造不可能、唯一性、所有権などを証明するデジタルデータのこと。
例えばアイドルイベントで推しのアイドルと一緒に写真を撮り、サインをしてもらったチェキがあったとしよう。これはこの世界にたった1枚の自分のものである。
それが仮想通貨の技術を使ってデジタルデータ化され偽造不可能、唯一性、所有権などが証明され、売買することも可能になったのがNFTだとイメージしてもらえばいいだろう。
最近でもPerfumeの振付を3Dデータ化したNFTアート作品が約325万円で落札されたほか、SKE48がライブの撮り下ろしデジタルトレーディングカードを「NFTトレカ」として販売したところ即完売になるなど、人気を博している。
今回、与沢氏が利用したのは、SNS投稿を簡単にNFT化できる「HEXA」というサービス。1000万円を超える高額で落札したのは、「バナおじ(バナナ配りおじさん)」(@n_yamada10)で、主に仮想通貨に関する投稿を行う人物だ。
「こんな可能性の道がある」と提起したい
なぜ与沢氏はツイートを資産化しようと考えたのか?
「2017年から仮想通貨の投資をしている中で、今年になってから一気に話題になったNFTについて可能性を探ってはいました。NFTといえば、映像・音声・写真・デジタルアートなどを資産化する、クリエイターを舞台にしたものが主です。私にはそういったセンスは一切ないので、自分がNFTを発行することはできないだろうと思っていました。
Twitterの創業者のジャック・ドーシーさんが自身最初のツイートをNFTでオークションにかけたところ、約3億円で落札されました。これは世界的な大成功者の話ですから、私程度では到底実現できない極端な事例です。
だからツイートが簡単に高額で売れるなどとは微塵も思っていませんでしたが、ツイートをNFT化できるというのはこの時に知りました。『これなら自分にもできる』『みんなにもこういう可能性の道があるよ』と提起はできるのではないか。正直、完全な戦略があるわけではなく、面白そうだし、とりあえずやってみようという興味本位で始めただけでした。
私がとりあえず挑戦してみることで、他の人ももっと上手に挑戦してみようと、将来これの発展形がもしかすると個人の収益モデルの一つになる可能性もあるのかなと思ったんです」(与沢氏)
なぜ人はNFTに熱狂するのか?
結果的に無事大成功に終わった与沢氏のツイートNFT化オークションだが、なぜNFTはこれほどの人気になるのか。「HEXA」を運営するメディアエクイティ株式会社の代表取締役・椛島誠一郎氏はこう説明する。
「理由は主に3つあり、一つは保有者として1対1の特別な感覚を持てることです。インフルエンサーの一部を自分だけが所有するという、まったく新しい感覚が生まれ、インフルエンサー側は誰が所有してくれているか、そしてファン自身もその“所有者”であることをお互いに認識でき、これまでにない特別な体験が継続できるからです。
二つ目は、投げ銭ではなく投資=資産になる、という点です。一般的にデジタル資産NFTは売却が可能な資産となります。そのため、投げ銭のように支援したら終わりではなく、資産として残りますし、インフルエンサーのさらなる活躍によって値上がりする可能性もあります。
そして三つ目は、所有者として他のファンにも認知される点です。オークションツイートNFTページに保有者として名前やTwitterリンクを張ることができ、支援者としてインフルエンサーやほかのファンにも認知してもらうことができます」(椛島氏)
誰でも簡単に高額の値がつくわけではないが、「個人で稼ぐ」が重視される時代、ツイートのNFT化は個人の収益モデルの一つになる可能性があるかもしれない。