会社内において、日常的に言葉による暴力、パワハラが行われるケースがあります。
こうした会社では会社遺伝子?とも呼ぶべき悪質な社内体質があります。
だからこそ、こうしたパワーハラスメントが珍しくもなく、ありふれた光景として見られたりします。
こんなブラックな会社からは一刻も早く逃げ出しましょう!
私のかつての勤務先では、身売りされることで親会社が変わったことがあります。
吸収合併です。
それに伴い、かなりの余剰人員が出ることになりました。
はやい話が、会社にすればクビにしたい人たちが職場に溢れるようになったのです。
50代以上の管理職
特に目の敵にされたのが、50代以上の管理職です。
新しい親会社から出向してきた人間と、元々いた旧会社の管理職がかぶってしまうと最悪です。
正式に辞令が出されて旧会社の管理職が降格されるならスッキリしていて話は分かりやすいのですが、当時は吸収合併により、社内の状況は相当、混乱していました。
それは、まるで終戦直後のイラクのような様相を呈していました。
正直な話、新・親会社の管理職は、現場の業務をまったく把握していませんでした。
実際の仕事の現場の対応は、これまた親会社から出向してきた、若い主任の男に丸投げしてある状態でした。
それで、旧会社で、ある職務の責任者をしていた年配の女性がいたのですが、その部署に親会社からやってきた若い男性A氏が配属されました。
主任にしてみれば、親会社からやってきた、この男性A氏に、その部署の責任者になってもらいたいと考えるのは自然な成り行きでした。
そこで目障りになるのが、旧会社で責任者をしていた女性B氏です。
正式に辞令を出して、この女性B氏を配置転換すれば良いのでしょうが、トップの人間は数字しか見ていませんから、現場のことは何も知りません。
そこで主任は何を始めたかというと、この50代の女性、B氏に対してパワーハラスメントを始めたのです。
要は、
「オマエは目障りだから、辞めろ」
というわけです。
しかしながら、この女性もダンナに若い時に先立たれ、女手ひとつで子供二人を育てています。
50代になってから、「新しい仕事を探す」となっても厳しいことは本人も良く理解しています。
異動願い
女性本人の口から、「異動願い」が何回も言われました。
しかしながら、社内は混乱していますから「異動願い」を言葉として発しても、風に掻き消されるが如く、でした。
また後で分かったのですが、この主任は人事権を持たなかったのです。
持っていた裁量は、現場の仕事の采配だけです。
つまり、人事権を持たない人間に、この女性は「異動願い」を出していたのです。
また、この当時、会社には「異動願い」について正式な書類すら存在していなかったようです。
この、かつて管理職をやっていた50代女性は、自分から降格させてもらうことも出来ず、毎日、30代の主任の男にパワハラを受けていました。
周りの人間は何も出来ませんし、言いません。
皆、自分と直接、関係のないことは見て見ぬ振りをします。
相手が女性なので、流石に殴る、蹴るはなかったですが、「仕事のやり方が悪い」「あれが出来ていない」「これが出来ていない」と、毎日、執拗に言葉によってパワハラが行われました。
皆の前で、大声で怒鳴りつけるのです。
この女性をパワハラで退職に追い込みたいことは傍目に見ていても明らかでした。
そんなパワハラが始まって3ヶ月目くらいのことでしょうか。
いつものように主任によるパワハラが始まると、この女性は会社の中でブッ倒れたのです。
文字通り、ぶっ倒れました。
すぐに救急車が呼ばれました。
心身に何らかの異常を来たしたことは明らかです。
病院での診察結果は「クモ膜下出血」でした。
すぐに入院、手術ということになりました。
入院中は当然、出勤出来ません。
鬼の居ぬ間に洗濯ではないですが、この間に親会社から出向してきた若い男性、A氏が、その部署のリーダーになりました。
言葉によるパワハラは、罪には問われないのでしょうか?
この場合、執拗に嫌がらせを受けることにより、血圧が急速に上がり、クモ膜下出血を引き起こしたのです。
この件について労働基準局が調査に入ったという話は聞きませんでした。
会社の方で揉み消したのかもしれません。
あるいは暴力行為は為されていませんから、立証は難しかったのかもしれません。
私も、この女性のお見舞いに行ったのですが、手術のため、頭の毛髪を剃られ、病院のベッドに横たわる姿は、それは痛々しいものでした。
待合室では、この女性が女手ひとつで育てている高校生の子供二人が心配そうな表情をしています。
しばらくして、この女性は無事、退院したのですが、数カ月も会社を空けていれば、当然、もう席はありません。
「次の仕事を探す」と弱弱しく言って退職していきました。
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会社とは決して人道的な場所ではありません。