読み終わった感想としては心屋仁之助の本の内容に近い気がしました。
日本よりも、はるかに競争が激しい、徴兵制度があり、社会のレールが少ない韓国で生きることに疲れて悩みぬいた著者が導き出した結論を述べた本です。
著者のハ・ワンさんは3浪の後に、美術大学へ進学し、兵役の関係もあり、30歳で大学を卒業したそうです。
以下、良かった文章を転載
>>
p8
そうして必死にやってきたのに、
幸せになるどころか、どんどん不幸になっている気がするのは気のせいだろうか?
そう考えたとき、後悔が襲ってきた。
いや、後悔というより悔しさだ。
あと10分登れば山頂だと言われてひいひい上ったのに、10分経っても頂上は現れなかった。
もう少しだよ、本当にここからあと10分だから、、、。
その言葉にダマされながら、40年も山を登り続けてきた。
もう、どうにかなっちゃいそう!
p36
どうやら会社はオカネのために働く人間ではなく、やる気をもって共に成長しようとする人間を望んでいるみたいだ。
そして、僕らは、今日も「やる気の証明」として残業をする。
定時退社はやる気ゼロと見なされるから。
その結果、会社は成長していくのに、なぜか僕らの給料は成長しない。
共に成長しようって言ったよね?
都合よすぎない?
P38
ただし、仕事にやる気が生まれると、また別の問題が生じるので注意したい。
「給料はあまり出せないけど、やる気を持って働くには良い機会だよ。この業界は経験が財産だから」
そう、いわゆる「やりがい搾取」だ。
p42
自分の人生なのに、自分の気持ちなのに、どうして他人の評価によって大丈夫だったり、大丈夫じゃなかったりするんだろう?
p71
人生とは自分の思い通りにならないどころか、どんなに思い悩んで何かを選択しても、その選択自体が無意味になる瞬間があるという事実だった。
p80
本来、楽しむことが目的のなぞなぞに、僕らはあまりにも死にもの狂いで挑んでいるのではないか?
答えを探すことにだけ集中し、問題を解く楽しさを忘れていないだろうか?
p150
やりたい仕事は「探す」のではなく「訪れる」もの
p156
本当にやりたいことが何なのかわからない?
でも、大丈夫。無理やり探そうとしなくていい。
いつの日にか、向こうからやってくるから。
p157
いつかはみんな会社を辞める
p167
成功した芸能人のエピソードには必ずと言っていいほど、ある共通点がある。
デビュー前に親から猛反対されたという点だ。
「ああ、あのとき私たちの言うことを聞いてくれなくて本当によかったわ」なんて考えているのではなかろうか。
p183
一方で、自分の声に従えば、少なくとも誰かのせいにすることはない。
成功しても、失敗しても、すべて自分の責任。そう思えば少し気が楽になる。
自分の人生なら、そうすべきではないだろうか?
p216
理想通りにならなくても人生は失敗じゃない。人生に失敗なんてものはない。
p241
最も簡単に、早く、自分を不幸にする方法を探すなら「他人との比較」をおすすめする。これはかなりの確率で不幸になれる方法だ。
p250
富の真の目的は誇示だと。
p281
「どうして?そこが楽しいのに」
お金を出して手軽に買えるものをわざわざ手作りするのは、出来はどうあれその過程を楽しみたいからだ。
面倒な途中の過程も、集中して没頭できる貴重な時間であり、腹が立つほど時間がかかるのも、いつか必ず形になる喜びのためにある。これこそ真の娯楽だと。
p285
「天才は努力する者に勝てず、努力するものは楽しむ者に勝てない」