猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論:書評ネタバレ感想

自由の究極は孤独である。孤独を楽しむことで自由は最適化できるのだ。

p95

経済成長がマイナスでも大量資金供給すれば株価は上昇するという経済は興味深い。

家庭に例えるなら、収入は減ったけど借金で以前より派手な生活をしているという感じだ。

p97

政府が行う後手後手の対応は経営能力の低い町工場のおやじと同じだ。

設備投資をケチって機械の故障が度重なり、停止と稼働を繰り返す最悪のパターンだ。

(中略)

この町工場には、もうひとつ問題がある。

古い従業員の立場が強く、経営方針の転換が出来ないのだ。

p101

ワクチンの普及で経済回復の兆しが見えれば、金融緩和の終了(テーパリング)が意識されるのだ。

これは株高の根拠が失われるということである。

各国政府と中央銀行は、量的緩和で市場の水準を保ちながら,実体経済がそれに追いつくのを待つ戦略だ。

しかし、現実はその逆になるであろう。

P105

「禍」はこれからが本番であり、カタストロフィー級の衝撃が世界を覆いつくす可能性が極めて高い。

たとえばそれは、これまで経験したことのないような「大恐慌」だ。
そうなればコロナで命を落とした人よりも遥かに膨大な数の屍が累々と横たわることになるはずだ。

パンデミックの真っただ中、世界は膨大な「前借り」をすることで辛うじて金融システム、社会システムの崩壊を先送りしてきた。

世界はそのツケをどうやって返すつもりなのか。返せるのか。

p108

ビットコインには将来受け取れる配当も利子もまったくない。だから、株式のように配当割引モデルを適用した価格算定も不可能だ。

つまり、NPV=0ということになる。

ビットコインには理論的な価値は存在しないということだ。

BIS(国際決済銀行)の報告書によると「仮想通貨の本源的な価値はゼロである」と結論づけられている。

p120

「どうすれば金持ちになれますか?」–度々こう質問される。

「部屋に花を飾るといい」

私が必ず返す答えだ。

テーブルに花を飾るくらい簡単なことだ。

そして、次にその花が美しく見えるように周りを片づけるようにすることだ。
要はルーテインを身につけ、美意識を鍛えるという意味である。

プロの音楽家は、練習というルーテインを嫌になるほど繰り返してプロになるのだ。

p129

私は人と待ち合わせの約束をしたら、必ず相手より先に到着するようにする。
(中略)
交渉の場に遅れることは、それだけで相手を有利にする。

遅れた相手はまず謝罪から入らなければならない。だから私は待たすよりも待たされる方が良い。

p133

私が勧めるままに買った人にも、株価が下がって怒る人もいた。
こういう人は、株価が下がったら怒るけれど、その後に株価が上がっても例を言うことはない。

だから教えるだけ損なのだ。

p135

コロナ禍は表の社会だけでなくアンダーグラウンドの世界にも多大な影響を及ぼしている。考えてみれば当たり前の話だ。

表裏が分離したコインなど存在しないのだから。

p148

お金に困るということは信用が不足しているということなのだ。

p154

米ドルを使用したマネーロンダリングやテロ資金の流れは、米国が徹底的に捜査する。

中東であろうと日本であろうと、金融機関が保有する米ドル口座は治外法権であり、米国の法律が適用されるからだ。

p163

次にカネに対する考え方も、コロナ前より深まった気がする。

カネそのものは所詮、紙切れにすぎない。

電子マネーの場合も同じだ。

それは単なる数字に過ぎないのだ。
だからいくら金持ちになったところで、人生が豊かになるような使い方をしないと何の意味もない。

(中略)

コロナによって人々の生活が大きく制限されたことで、「経験」することの価値が跳ね上がった。

少なくとも私の中ではそうだ。

逆にカネでモノを買うことや、何かを所有することの価値は大きく低下した。

経験する価値とはつまり、限られた時間を有意義なものに出来るかということである。

p204、205

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