私の前任者は本社採用で新卒入社の大卒理系の人間であった。
専攻は応用化学で石油からプラスチックを作る勉強をしたのだという。
15年ほど事務所スタッフとして働いていたのだが、会社が吸収合併されたことを機会に左遷の形で三交代の現場に出された。
それまで椅子に座り、パソコンでエクセルを操作していたのが、いきなり生産ラインに放り込まれて立ち仕事をしなければならなくなったのである。
さぞかし、身体は酷かったであろう。
身体だけではない。精神的にも厳しかったのではないか?
大学まで出てプラスチックの粉塵にまみれて仕事をするのは、どんな気分であったろうか?
彼は多くを語らないが、地元の工業高校卒の上司の下でフォークリフトを運転するのは屈辱ではなかったか。
しかし、この人物は私が異動してきたことにより事務所スタッフに戻った。
もっとも、現在も交替勤務の事務所スタッフであるが。
翻って私である。
大卒、文系。
私立大学卒。
新卒で入った会社では営業をやったが、向いていなくて、いくつかの仕事を渡り歩いた。
学生の時はデザイナー志望。
夢叶わず、転職を繰り返す。
それでも現在の会社では勤続10年以上。
三交替の職場で、これで半年ほど経過したであろうか?
仲の良い同僚は地元の底辺私立高卒の人間である。
別に学歴差別するわけではないが、この高校は受付で名前を書いて入学金を払えば誰でも入れると言われている高校である。
私は、いったい何のために勉強して受験をして、大学まで卒業したのか?
学校の勉強が奴隷教育でしかないことに気付くのに、結構な時間を必要とした。
夜勤で日中に眠れない
夜勤のシフトに入る時は、当然のことながら夜、働かなければならない。
必然的に睡眠は日中に取ることになる。
それで家の周囲が静かなら良いのであるが、建物の解体工事などで騒音が酷くて眠れないことが良くある。
削岩機の振動で自宅も揺れるし、クレーンで建物を壊す時の、バリ、バキバキ、ドカーンなどという音が鳴り響く騒音の中で寝るのは、なかなか無理がある。
あるいは近所の公園で子供たちがサッカーかなんかをやり始めて騒ぎ出す時もある。
家屋の解体工事で、あまりにも騒音が喧しいときは自宅では眠れないので、クルマを走らせサウナまで行ったこともある。
サウナで大量に浴びるほどアルコールを飲んで寝るのだ。
こんなことをしているから肝臓も悪くなる。
サウナで寝泊まりしたのは最長で1週間ほどであったか。
当然、この高額のサウナの使用料は自腹である。
この時は、近所の幼なじみの家の解体工事だったので、文句は言わなかった。
彼は工事の前に挨拶に来たし。
逆に新築おめでとうと言ってあげた。
ところで、来月の連休明けから各班、一名、合計4名が東北の方へ出向という形になるらしい。
向こうの事業所の方が仕事のスタイルが進んでいるそうだ。
いつ帰って来られるかは不明である。
また新年度から異動になると言われていた同僚の件であるが、隣の部署に異動ということで決まったらしい。
彼も新しい仕事に慣れるまで大変であろう。
また年度末の棚卸しであるが今のところ、大きな問題もなく終わりそうである。
しかし職場のレイアウト変更の件については、まだ終わっていない。ペンキ塗りが酷い。
工場勤務で椎間板ヘルニア|腰痛は手遅れ?
工場勤務を始めて1年くらい経ったころでした。
当時の私の上司がアキレス腱を負傷して入院することになりました。(このアキレス腱のケガは仕事中ではなくプライベートでなったものです)
上司がいなくなっても、そんなことには関係なく仕事はやってきます。
それで未熟ながら、私がその上司の代わりに責任者として仕事を進めることになりました。
この当時の仕事というのは某大手電機メーカーの工場の天井裏の梁(ハリ)を製造するというものでした。
6メートルの長さで大人の腕で、何とか抱えることが出来るほどの太い、重い建材を二人がかりで運び、NC旋盤で加工して出荷するという仕事です。
工場の仕事を始めて、初めて責任者になったのです。
私は張り切って働きました。
当時のスタッフは私を含めて日本人が2人、ブラジル人の派遣社員が5人でした。
土曜日や祝日も休日出勤したおかげで、仕事は無事終わりました。
ところが、仕事が終盤に差しかかったころ、腰に鈍い痛みを感じるようになりました。
その腰痛は時間とともに増大し、ついには立っているだけ、歩くだけ、椅子に座るだけでも痛みを感じるようになりました。
病院での診察結果は「椎間板ヘルニア」です。
手術も検討したのですが、入院すると仕事を休むことになります。ましてや重いものを持つような工場の仕事は、もう出来なくなるでしょう。
そうなれば、解雇されることになるはずです。
結果から言うと、私は整体に2年間ほど通い、日常生活に支障がないレベルまで回復しました。
あの当時は、一歩前へ踏み出すだけで腰に痛みを感じたものです。
そして、その時にレントゲン撮影をしたのですが、私は側弯症と診断されました。
側弯症というのは背骨がS字に曲がる病気です。
医師が言うには、これは先天的なものではなく、後天的なものである。中学生くらいのときになったものだ、とのことでした。(思春期ナントカ側弯症というらしいです)
医師によると、あなたは側弯症なので普通の人よりも腰が弱い。だからヘルニアになりやすい。エコノミー症候群になる可能性が高いので、長時間のフライトを必要とする飛行機には乗らない方が良い、とのことでした。
ちなみにヘルニアからの影響で顎関節症にもなりました。おかげで歯もボロボロです。
今、思えば会社側に使い捨てにされたのでしょう。
だから日本人従業員は極力少なくして、いつでも解雇、契約解除できるブラジル人派遣社員を使って仕事をさせたのでしょう。
職業病になって取り返しのつかないことになっても会社は何もしてくれません。出来ません。
労災認定も、この場合は難しかったと思います。
ましてや、その会社が倒産でもしてしまえば、裁判すらも起こせないのです。
何しろ、訴えるべき法人、会社が存在しないのですから。。
自分の身は自分で守るしかありません。
誰も助けてはくれません。
助けようもありません。
ヘルメットとフケ
ヘルメットを着用して仕事をするようになってから頭のフケが異常に発生している。この原因が不規則な生活リズムによる睡眠不足を理由とするものなのか?
あるいは通気性の悪いヘルメットの着用によるものなのかは不明である。
かつて夜勤をしていたときもあったが、こんなにフケは出なかった。
あの当時はヘルメットではなく帽子の着用であった。いづれにしても工場勤務は身体に悪い。
同僚と仕事の休憩時間に喫煙所で、これから先、五年、十年、この仕事をやっていく自信はあるか?と訊いたら、「ない」と言われた。
やはり、皆、同じなのであろう。
それで顔に吹き出物が出来たので、皮膚科に行ったついでに頭皮も診察してもらったら皮膚に湿疹があると言われた。フケが厚く溜まっている。炎症を起こしているのだと医師が言う。考えられる理由はヘルメットしかない。
頭の脇と後ろは何ともないそうなので、やはり原因はヘルメットであろう。放っておくとハゲるよと医師に言われた。
道理でシャンプーをしてもフケが治らないはずである。
病院で頭に炎症を抑えるローションを塗ってもらった。リンスはするなと言われた。洗髪の時は指で洗う。爪は立てない。
顔にイボが出来たのは奇貨であった。
これが無ければ皮膚科で頭皮を診察してもらうこともなかったであろう。
皮膚科では飲み薬とローションを出された。具体的にはエピナスチンの錠剤とメサデルムローションである。
現在は蒸れないようにハンドタオルを噛ませてあるが、タオルの当たっていない部分が炎症を起こしているらしい。今後のヘルメット対策としては、ハンドタオルではなく普通の家庭用のタオルを使ってみよう。
それで頭にローションを付けるときであるが、「100円ショップで売っているような柄の部分が尖ったヘアブラシで髪をかき分けて頭皮に直接付けるようにしてください」ということであった。
きちんとかき分けないと髪にだけついて頭皮にはつかないということであった。会社にはスキンヘッドのハゲも多い。あんな風にはなりたくない。
工場労働者は髭を剃らない
工場労働者にはヒゲを剃ってこない人間が多いものです。
接客業とは違い人ではなく機械を相手にする仕事だからでしょう。
接客業なら上司から身だしなみについて口やかましく言われるかもしれませんが、工場では注意するべき上司自身がヒゲ伸び放題だったりします。
別段、ヒゲがあっても無くても仕事には支障はありません。身体ひとつで会社に来ていれば何も言われることのない、気を使うこともない、楽な職場かもしれません。
こうした人たちは、ヒゲ脱毛とは、一生無縁な人たちでしょう。
彼らが、こんな青髭 脱毛 を見たら鼻で笑うのではないでしょうか?
特にヒゲが汚いのが工場労働者の中でも交代勤務者です。
彼らはこうした特徴が顕著です。時間が不規則な仕事なので、正直な話、ヒゲなんてどうでも良いのでしょう。
夜勤であれば特に身内の従業員としか顔を合わせることはありません。
また、こうした工場労働者はトイレの後でも手を洗わない人間が多いものです。町工場なんかになると、もっと酷くてトイレにも行かずに面倒なので、会社の裏の横道や用水路、田んぼや畑に放尿するやつもいたりします。衛生マナーが悪いと言われる中国人よりもひどいかもしれません。
基本的にバカなので会社の規約が変更になり、「今までサービス残業でしていた仕事に手当てを付けてやる」、と言われても「要らない」、なんて答えたりします。そのくせに残業が大好きでやる必要のないカイゼンをして深夜まで会社に残っていたりするのです。ひげ面はバカヅラでもあります。
疲れてるのに眠れない、仕事中にケガするなよ
交替勤務をしていると時間が不規則な生活を強いられることになる。
体内時計も狂ってくるのであろう。
身体が疲れていても眠れないことが頻繁にある。
一番イヤなのは、夜勤の初日、一発目の出勤である。
日曜日の場合、サザエさんの放送時間まで、本当は寝なければならない。
日曜日の深夜に出勤して月曜日出勤の扱いになるのだ。
当日、0時出勤の場合、23時入りくらいになる。
それで、朝、起きてから昼間、多少は寝なければならないのであるが、酒と薬を飲んでも眠れるのは、せいぜい2,3時間である。
昼食時に、無理やり酒を飲み、寝床に入るのだ。
家の真向かいで家屋の取り壊し工事が始まった時は騒音と振動でで眠れなかったので、サウナに行って寝たこともあった。
当然、余計な出費を強いられる羽目になる。
この工事は終わったので、最近は閑静を取り戻したのであるが、
それでも、途中で目が覚めると寝汗で身体がひどいことになっている。
シャツを二回変えるときもある。
やはり、人間の身体は昼間、働いて、夜は眠るように出来ているのだ。
夜勤は人体の摂理に反している。
もっとも、寝汗が酷いのはパワーハラスメントをしてくる先輩や身体に負荷がかかる肉体労働、人体に有害な粉塵を吸い込んでいるということもあるであろう。
いつまでも、こんな仕事をしていると健康を害して廃人になってしまうのではないか?
自分が50代、60代になっても、こんな仕事をしているかと想像すると、ゾッとする。
時間が不規則な仕事といえば工場勤務の他にはホテルや深夜営業の小売業などもあるだろう。
皆、同じような悩みを抱えているのではないか?